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引用:映画.com
オーメン:ザ・ファースト(TOHOシネマズ梅田)概要
アメリカ人のマーガレットは新たな人生を歩むべくイタリア・ローマの教会で奉仕生活を始めるが、不可解な連続死に巻き込まれてしまう。やがて彼女は、恐怖で人々を支配するため悪の化身を生み出そうとする教会の恐ろしい陰謀を知る。全てを明らかにしようとするマーガレットだったが、さらなる戦慄の真実が彼女を待ち受けていた。
引用:映画.com
感想
以下、ネタバレがあります。
1976年に公開された『オーメン』につながる前日譚ということで、どんな切り口で来るのかと思えば敵はまさかの悪魔ではなく、どこまでも権力にしがみつく教会側。「権力と戦う女性たち」という女性監督らしい題材を掲げつつ、ブレナン神父も登場するし、ダミアンもしっかり誕生します。あの音楽も流れるし、オマージュと思われるシーンも何カ所か。悪魔の誕生譚と言えば誰もが想像するだろう『ローズマリーの赤ちゃん』への目配せっぽいシーンもあって、結構いろいろ詰め込まれているんですが、不思議とわざとらしい接待感はありません。
むしろ70年代ローマを落ち着いた色調で再現したルックや主演のネル・タイガー・フリーの印象的な存在感のせいか、ふとアート映画のような佇まいさえ感じさせる瞬間がありました。つまり昨今流行の、70年代~90年代のホラー映画のリメイク、リブートの中では、個人的にはかなり好印象。ちょっとこのパターンに飽きたからスルーしてしまったという方がいらっしゃいましたら、それはちょっともったいないので観た方がいいです。
引用:映画.com
ただちょっとアレだなと思ったのは、本作のもっとも見せ場となるシーンに、日本版のみモザイクが入ってしまっていること。昔はよくありましたが……今回はレイティングを下げたかったのかな。ホラーは若者に人気があるし。でもさすがに物語に大きく関わる部分だけにあまりに無神経というか、クリエイターのこともお客さんのこともバカにしてませんかね。これについては方々からクレームが出ていると思うので、せめて円盤くらいはモザイクなしバージョンを楽しめるように計らっていただきたいものです。
尚、これから鑑賞する方には、ぜひ1976年の『オーメン』を観ておくことをおすすめします。本作は前日譚という性質上、いきなり観ても大まかなストーリーくらいは分かると思いますが、お話が進むに従って1作目冒頭につながる要素が説明なく入ってくるため、やっぱり観ておいたほうがいいです。
あと『オーメン』は2006年にも『オーメン666』というタイトルで一度リメイクされているのですが、リチャード・ドナー監督によるオリジナルのほうが断然クオリティが高いです。間違えてこちらを観て復習を完了した気分になっちゃわないようにご注意下さい。76年版はAmazonプライムビデオでは300円の有料レンタルとなりますが、映画好きなら観ておいて損はない名作でもあるので、ぜひこの機会に。

