2025年7月前半に観た新作映画の感想を書いています。
- アスファルト・シティ(大阪ステーションシティシネマ)
- 28年後…(TOHOシネマズ梅田)
- F1 エフワン(TOHOシネマズららぽーと門真/Dolby Cinema)
- スーパーマン(109シネマズ大阪エキスポシティ/IMAXレーザーGT)
- 顔を捨てた男(なんばパークスシネマ)
- DROP ドロップ (TOHOシネマズ なんば)
頭ひとつ飛び抜けておもしろかったのはやはり『スーパーマン』。『アスファルト・シティ』『顔を捨てた男』『DROP ドロップ』も、それぞれ見どころ、見ごたえがあって楽しみました。
あとの2本もつまらなかったわけではまったくないので、7月前半の鑑賞生活はかなり充実していました。
ただちょっと所用が重なりまして、気がつけば9月。少し遅くなってしまったので、感想は短めにまとめています。
アスファルト・シティ(大阪ステーションシティシネマ)
犯罪と暴力が横行する混沌の街ハーレム。医学部入学を目指し勉学に励むクロスは、その一方で新人救急救命隊員として働きはじめる。腕利きのベテラン隊員ラットとバディを組んだ彼は厳しい実地指導を受けるが、様々な犯罪や薬物中毒、移民やホームレスの終わりなき問題に直面し、自分の無力さに打ちのめされてしまう。そんな中、自宅で早産した女性からの要請で出動するが、新生児への処置をめぐり、クロスとラットの人生は大きく狂いはじめる。
引用:映画.com
監督:ジャン=ステファーヌ・ソベール/製作:ウォーレン・ゴズ エリック・ゴールド クリストファー・コップ ルーカン・トー ショーン・ペン ジョン・イラ・パーマー ジョン・ウィルダーマス タイ・シェリダン ティナ・ワン/製作総指揮:ジェームズ・マシェッロ マシュー・シダリ ミッチェル・ジャン ルーク・ロジャース ジャン=ステファーヌ・ソベール ジェイミー・バックナー シャノン・バーク ババク・アンバリ ライアン・キング/原作:シャノン・バーク/脚本:ライアン・キング ベン・マック・ブラウン/撮影:ダビド・ウンガロ/美術:ロバート・ピゾーチャ/衣装:ステイシー・ジャンセン/編集:サー・クライン キャサリン・マッケリー/音楽:ニコラス・ベッカー カンタン・シリャック/キャスティング:ロリ・イーストサイド
出演:ショーン・ペン/タイ・シェリダン/ベンガ・アキナベ/ラケル・ネイブ/ケイリー・リース/マイケル・カルメン・ピット/キャサリン・ウォーターストン/マイク・タイソン
『暁に祈る』が壮絶だったジャン=ステファーヌ・ソベール監督の新作です。
舞台はニューヨーク、ハーレム。タイ・シェリダン演じる主人公オリーは、医者になるための大学に進む勉強をしながら新人救急救命士をして働いているのですが……救急救命士って勉強しながらできるお仕事なん? バイト? いやまさか、こういう現場を経験していると、進学に有利になるのか? いきなりそんなことをうっすら考えながら見はじめたんですが(実際どういうことなのかは謎)、いやもう、冒頭からその現場のあまりの凄まじさに細かいことはすぐにどうでもよくなりました。日本よりずっと経済格差が深刻で、さまざまな人が暮らす土地の医療の難しさ……って、言葉で聞くと、ああ、よくありがちな社会派なやつですね、って思うじゃないですか。でもたぶんこの映画を観たら、多くの人がこの言葉から想像する状況の500倍くらい絶望的だから。お話も救いがないばかりだけじゃなく、R15のレイティングが付いているだけあってビジュアルもショッキング。しかも美談でもなんでもない。ただただひたすら絶望しかない。
とはいえ少し気になるのは、ハーレムに暮らすさまざまな人種の描き方がかなりステレオタイプなところ。タイ・シェリダンも彼とバディを組むジーンを演じるショーン・ペンも白人だし、今日びのキャスティングとしてはちょっと偏りすぎているような気がします。いまいち評価が高くないのも、そのあたりのバランスかと。ショーン・ペンも味わい深くて、決して悪い映画だとは思わないんだけど、デリケートな部分だけに手放しで「いいよ」とも言いづらい……うーん、もったいないなあ。
28年後…(TOHOシネマズ梅田)
人間を凶暴化させるウイルスが大都会ロンドンで流出し、多くの死者を出した恐怖のパンデミックから28年後。生き延びるために海を隔てた小さな孤島に逃れた人々は、見張り台を建て、武器を備え、身を潜めて暮らしていた。ある日、島で暮らすジェイミーと、島を一度も出たことのない12歳の息子スパイクは、ある目的のために島の外へと向かい、本土に渡る。彼らはそこで、人間が人間でなくなった感染者だらけの恐怖の世界を目の当たりにする。
引用:映画.com
監督:ダニー・ボイル/製作:アンドリュー・マクドナルド ピーター・ライス バーナード・ベリュー ダニー・ボイル アレックス・ガーランド/製作総指揮:キリアン・マーフィ/脚本:アレックス・ガーランド
出演:ジョディ・カマー/アーロン・テイラー=ジョンソン/ジャック・オコンネル/アルフィー・ウィリアムズ/レイフ・ファインズ
F1 エフワン(TOHOシネマズららぽーと門真/Dolby Cinema)
かつて世界にその名をとどろかせた伝説的なカリスマF1(R)ドライバーのソニーは、最下位に沈むF1(R)チーム「エイペックス」の代表であり、かつてのチームメイトでもあるルーベンの誘いを受け、現役復帰を果たす。常識破りなソニーの振る舞いに、チームメイトである新人ドライバーのジョシュアやチームメンバーは困惑し、たびたび衝突を繰り返すが、次第にソニーの圧倒的な才能と実力に導かれていく。ソニーはチームとともに過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵を相手に命懸けで頂点を目指していく。
引用:映画.com
監督:ジョセフ・コシンスキー/製作:ジェリー・ブラッカイマー ジョセフ・コシンスキー ルイス・ハミルトン ブラッド・ピット ジェレミー・クライナー デデ・ガードナー チャド・オマン/製作総指揮:ダニエル・ルピ/原案:ジョセフ・コシンスキー アーレン・クルーガー/脚本:アーレン・クルーガー/撮影:クラウディオ・ミランダ/美術:マーク・ティルデスリー ベン・マンロー/編集:スティーブン・ミリオン/衣装:ジュリアン・デイ/音楽:ハンス・ジマー/キャスティング:ルーシー・ビーバン
出演:ブラッド・ピット/ダムソン・イドリス/ケリー・コンドン/ハビエル・バルデム/トビアス・メンジーズ/キム・ボドゥニア/サラ・ナイルズ/アブダル・サリス/サムソン・ケイオ/キャリー・クック/ウィル・メリック/ジョセフ・バルデラマ/シェー・ウィガム
『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー(監督)&ジェリー・ブラッカイマー(製作)コンビが、トム・クルーズと一緒に培ったアクション映画のハウツーをF1の世界に持ち込みました。なので(言うまでもありませんが)アクションはスゴい。カーレースを題材とした映画は古くからあまたあれど、どうやって撮ってるの? と思うシーンの多さはダントツです。特に走ってる景色からドライバー込みで水平にカメラがスーッと移動するやつ、ピントが微塵も狂わないし、一体どうなってるの? 予告にもあるし、劇中でも何度か出てくるので、おそらく今回の目玉の技術なんだろうけど。
主演はブラピです。トムではないので、クローズアップされているのは命知らずのスタントではなく、還暦を迎えても最盛期とほとんど変わらないスタイルとか、セクシーな佇まいとか。実際、この年齢の凡人なら高確率で痛々しくなってしまいそうなちょっとスカした雰囲気も余裕で様になってるし、逆にレースとなるとベテランとは思えない繊細さを見せるところは母性本能(死語)をくすぐる瑞々しさもあって……この振り幅の自在ぶりさすが。スターというのはおそろしいものですね。
お話もごくシンプルな中年ワンスアゲインものながら、F1というモータースポーツの基本的なルールや、レースの状況などがごく自然に説明されていて、あまり知識のない私にもスムーズに理解出来ました。またドライバーだけじゃなくメカニックの業務内容もしっかりクローズアップされていて興味深かったし……基本的にはとても楽しく鑑賞したのですけれども。
あのラブシーンはいらなかったな。F1という、かつては男しか活躍できなかった世界に女性がいる(しかもリーダー格)ってことは素直に嬉しかったのに、しかも作中でしっかり「仕事に恋愛は持ち込まない」って言わせてるのに、次の瞬間ベッドってどういうこと? あまりの唐突さ(二人にためらいめいたものもないのでね)に、女の仕事への真剣さってこんなものとバカにされてるような気持ちになってしまいました。ブラピのイメージ的にも、彼女とは恋愛じゃなく、プロ同士としての友情や信頼感をしっかり提示したほうが絶対に現代的で好印象だったと思うんですけど。
これ、私とは立場の違う人、たとえばブラピ世代の男性や若者的にはどうなんでしょうね。もちろん世代や性別で一枚岩ってことはないと思いますが、気になるところではあります。
スーパーマン(109シネマズ大阪エキスポシティ/IMAXレーザーGT)
人々を守るヒーローのスーパーマンは、普段は大手メディアのデイリー・プラネット社で新聞記者クラーク・ケントとして働き、その正体を隠している。ピンチに颯爽と駆け付け、超人的な力で人々を救うスーパーマンの姿は、誰もが憧れを抱くものだった。しかし、時に国境をも越えて行われるヒーロー活動は、次第に問題視されるようになる。恋人でありスーパーマンの正体を知るロイス・レインからも、その活動の是非を問われたスーパーマンは、「人々を救う」という使命に対して心が揺らぎはじめる。一方、スーパーマンを世界にとって脅威とみなす天才科学者で大富豪のレックス・ルーサーは、世界を巻き込む巨大な計画を密かに進行。やがて、ルーサーと彼の手下である超巨大生物KAIJUがスーパーマンの前に立ちはだかる。世界中から非難され、戦いの中で傷つきながらも、スーパーマンは再び立ち上がっていく。
引用:映画.com
監督:ジェームズ・ガン/製作:ピーター・サフラン ジェームズ・ガン/製作総指揮:ニコラス・コルダ シャンタル・ノン・ボ ラース・P・ウィンザー/キャラクター創造:ジェリー・シーゲル ジョー・シャスター/脚本:ジェームズ・ガン/撮影:ヘンリー・ブラハム/美術:ベス・ミックル/衣装:ジュディアナ・マコフスキー/編集:ウィリアム・ホイ クレイグ・アルパート/音楽:ジョン・マーフィ デビッド・フレミング
出演:デビッド・コレンスウェット/レイチェル・ブロズナハン/ニコラス・ホルト/エディ・ガテギ/アンソニー・キャリガン/ネイサン・フィリオン/イザベラ・メルセド/スカイラー・ギソンド/サラ・サンパイオ/マリア・ガブリエラ・デ・ファリア/ウェンデル・ピアース/アラン・テュディック/プルイット・テイラー・ビンス/ネバ・ハウエル/ミカエラ・フーバー/ベック・ベネット/フランク・グリロ/ズラッコ・ブリッチ/ミリー・オールコック/ジョン・シナ/ブラッドリー・クーパー/マイケル・ルーカー/ポム・クレメンティエフ/ショーン・ガン/ウィル・リーブ
顔を捨てた男(なんばパークスシネマ)
顔に特異な形態的特徴を持ちながら俳優を目指すエドワードは、劇作家を目指す隣人イングリッドにひかれながらも、自分の気持ちを閉じ込めて生きていた。ある日、彼は外見を劇的に変える過激な治療を受け、念願の新しい顔を手に入れる。過去を捨て、別人として順風満帆な人生を歩みだすエドワードだったが、かつての自分の顔にそっくりな男オズワルドが現れたことで、運命の歯車が狂いはじめる。
引用:映画.com
監督:アーロン・シンバーグ/製作:クリスティーン・ベイコン バネッサ・マクドネル ガブリエル・メイヤーズ/製作総指揮:セバスチャン・スタン アーロン・シンバーグ/共同製作:パメラ・コフラー/脚本:アーロン・シンバーグ/撮影:ワイアット・ガーフィールド/美術:アンナ・キャスリーン/衣装:ステイシー・バーマン/編集:テイラー・レビ/音楽:ウンベルト・スメリッリ/音楽監修:メリッサ・チャップマン アニー・パールマン/キャスティング:メアリーベス・フォックス
出演:セバスチャン・スタン/レナーテ・レインスベ/ジョン・キーティング/マラカイ・ウィアー/アダム・ピアソン/マイケル・シャノン
DROP ドロップ (TOHOシネマズ なんば)
幼い息子を育てるシングルマザーのバイオレットは夫の死を乗り越えられずにいたが、マッチングアプリで知り合った男性ヘンリーとのディナーに応じることを決める。高層ビル最上階の高級レストラン「PALATE」の窓際席で会話を楽しむ彼女のスマホに、誰かからスマホのドロップ機能を使ったメッセージが届く。その内容は「目の前にいる男を殺せ。さもなければ、お前の息子を消す」という脅迫だった。ドロップの通信圏である半径15メートル以内から監視され、スマホも完全にハッキングされるなか、絶体絶命の危機に追い込まれるバイオレットだったが……。
引用:映画.com
監督:クリストファー・ランドン/製作:マイケル・ベイ ジェイソン・ブラム ブラッド・フラー キャメロン・フラー/製作総指揮:ロン・リンチ サム・ラーナー マクダラ・ケレハー/脚本:ジリアン・ジェイコブス クリス・ローチ/撮影:マーク・スパイサー/美術:スージー・カレン/衣装:グウェン・ジェファーズ・ホーリー/編集:ベン・ボードゥイン/音楽:ベアー・マクレアリー
出演:メーガン・フェイヒー/ブランドン・スクレナー/バイオレット・ビーン/ジェイコブ・ロビンソン/リード・ダイアモンド/ガブリエル・ライアン/サラ・マコーマック/ジェフリー・セルフ/エド・ウィークス/トラビス・ネルソン