トラブル発生から解決までの流れ
トラブルの発生から、すべての処理が終わるまでの流れをまとめました。
場所やトラブルの詳細は伏せますが、状況としては、
- 高速道路を走行中、エンジンが止まってしまった
時刻は17時を少しまわったところで、終日200キロほど走った帰りでした。
日中、調子が悪いなどおかしなところはありませんでした。
1.安全な場所で停止後、停止表示器材を設置する
ガチャンという、何かが外れるような感覚のあと、急にアクセルの反応がなくなったので「???」となりました。
幸いだったのはゆるく長い下り坂だったこと。しばらくはスピードが維持できたので、その間に、
- 相方くんにSOS(「壊れた、走れないから停まるよ」これくらいしか叫べませんでしたが、ちゃんと伝わって、彼も停まってくれたのはラッキーでした)
- 後続車の確認とハザード(わりと混んでいたので、後ろの方はびっくりしたと思います。でもこちらもどうしようもなくて、つまり車間距離超大事)
- 広めの路肩に停止(エンジンが掛かっていないこと、セルを回しても反応しないことを確認)
高速道路の場合、停まったら何はさておき安全確保です。
まさかこれが役に立つ日が来るとは。
写真だとわかりにくいですがこんな感じ。バイクのハザードもちゃんと点けてますよ。
100キロ近い車が間近をビュンビュン走っていくというだけでそこそこ恐怖な高速道路上の、しかも夕方。どんどん暗くなって行くタイミングだったので灯りがあるのは本当に助かりました。
2.交通管理隊に連絡する
続いて、高速道路上に設置された非常電話、もしくは「道路緊急ダイヤル(#9910)」から、交通管理隊への連絡を行います。
わたしはバイクを停めた場所のすぐそばに非常電話があったため、それを使いました。
電話で確認されるのは、
- 現在地(慣れない土地だと説明に困りがち。高速道路の場合、まず確認したいのは上りか下りか、直近で通過したICはどこか。その上でナビや周囲の景色、あれば標識などを参考にしつつ範囲を絞りましょう)
- 故障時の状況(ガス欠やパンクなどはっきりとした原因が分かればそれを。分からなければ煙が出ているとか、ガソリンが漏れている、など可能な限り細かい状況を伝えましょう)
- 現在の状況(安全な場所に退避できているかということを確認されます)
連絡後は、ようすを見に来てくれます。
周囲の安全確認のほか、状況によっては交通整理をしたり、コーンを出してくれたり、掲示板で故障車があることを後続車に知らせてくれたりするようです。
今後の動きについても相談に乗ってくれますので、どうすればいいか分からない場合は、相談して指示を仰ぎましょう。
大事にしたくないなどの理由から、このステップを飛ばしたくなる人もいるかもしれませんが、自分の安全はもちろん、関係のない人を二重事故などのトラブルに巻き込まないためにも、交通管理隊への連絡は必須です。
3.レッカーを手配する
一般道路のようにバイクを引いて歩く、もしくは応急処置をしてゆっくり移動するといった手段が使えない高速道路でのトラブルの場合、バイクの移動はほぼ確定でレッカーのお世話になると思います。
特に今回はトラブルの原因が(この段階では)不明、エンジンも掛からない状態だったため、交通管理隊への連絡が済んだ時点でレッカーの手配を開始しました。
レッカーは大抵の場合、JAFや保険会社のロードサービスを利用することになると思います。
わたしもさっそくスマホにメモしていた保険会社のロードサービスに連絡をしたのですが、ことのき必要となるのが、
- 住所、名前、電話番号、生年月日(本人確認用)
- ナンバー
- 現在地
- バイクの受け入れ先
- 自分の移動手段(サービスによっては、バイクの受け入れ先や最寄り駅までは送り届けてもらえることもあります)
バイクの受け入れ先に関しては、わたしはたまたま普段からお世話になっているディーラーが近くにあった(到着が閉店時間を過ぎそうだったのですが、快く受け入れていただきました)ので、助かりました。
ですが、これががもし遠方だったら、深夜だったら……というのは、シミュレーションしておいたほうがよさそうです。
少なくとも、
- 深夜などで受け入れ先が手配出来ず、レッカー会社に一時預かりしてもらう場合、保険で対応してもらえるか(わたしの場合48時間までは無料でした)
- レッカー移動は保険で何キロまで対応してもらえるか(わたしの場合は500キロでした)
くらいは把握しておく必要がありそうです。
保険加入時には確認しているはずですし、もしかしたらほとんどの人は覚えているのかもしれませんが、わたしはすっかり曖昧になっていたので……。
自分自身の移動手段については、高速道路の場合、原則高速を降りるところまではレッカーに乗せてくれます。
そこからの移動は自力となるので、電車やタクシー代、場合によっては宿泊費なども、どこまで保険でカバーできるかは調べておいたほうがいいと思います。
わたしは幸い相方くんと一緒でしたし、バイクもその場で修理してもらえたため、帰りの交通手段を検討する必要はありませんでした。
4.交通管理隊の指示に従ってレッカーを待つ
わたしが停まった場所は、比較的広く、見通しもよい場所だったので、このままできるだけ壁に近い場所でレッカーを待つように指示されました。
連日の暑さが少しマシになったタイミングではあったのですが、周囲はどんどん暗くなってくるし、高速で行き過ぎる車は怖いし。
待ったのは1時間ほどでしたが、喉も渇くし、時間的にお腹も空いてくるので、お水とおやつくらい持っておけばよかったです(持ってるときには持ってるのに……)。
で、そうこうしているうちにレッカー到着、手際よく積み込み作業を完了してくださいました。
危険の伴う作業なのにこちらのことも労ってくださって、感謝してもしきれない……本当にありがとうございました。
5.ディーラーに到着
ディーラーへは、閉店5分くらい前に到着しました。
担当の方も整備の方も勢揃いで待ち構えていて下さっていて、さっそく調べてもらったところ、故障の原因は燃料系統のトラブルとのこと。
まあ、バイクや車に限らず電車や飛行機もそうですが、人が作ったものに乗る以上、こういうリスクは少なからずあるということでしょう。
一歩間違えば事故に繋がることなので「ままあること」で済ませるのは危険ですが、真摯に対応していただきましたし、中途半端な憶測が一人歩するのも本意ではないので詳細は省きます。
というわけで、高速道路でエンジンが止まってしまうというタイミングこそ悪かったものの、トラブルそのものは複雑なものではなく、その場で修理となりました(所要時間1時間ほど)。
帰りはタクシー(保険でカバーされるので)かなと思っていましたが、バイクに乗って帰ることができ、ひとまずは安堵。
この時点で時刻は20時過ぎとなっており、帰りは途中で食事をして、家に帰り着いたのは21時頃でした。
6.ETCの精算をする
事後処理はまだ終わりではありません。
帰宅後は、レッカー会社の方に「忘れないようにしてくださいね」と念押しされた、未処理(高速道路に入ったけど出ていない)ETCの精算を行います。
連絡方法は電話のみ。
- NEXCO西日本お客さまセンター(0120-924-863・24時間対応)
音声ナビに従って担当者に繋がったら、故障でETC未精算であることを伝えます。
その後は聞かれる質問に答えていくだけなのですが、
- 停止した場所と簡単な状況説明
- どのICから乗ったか
- ETCカード情報(カード番号、有効期限)
- 車両情報(ナンバー、メーカー、車種、色)
ここで若干手間取ったのが、乗ったICでした。
実は今回、最初は下道で帰るつもりにしていたのですが、渋滞していたので高速を使ったのです。ちょうど入り口があったので、あまり考えずにひょいと乗ってしまった……つまり、どこから乗ったのか分からない。
地図を見てもピンとこないし、ETCを通しているのだから本人確認済ETC番号で分かるだろうと曖昧に返答すると「それではダメ」って言われるし。
このとき、悩んだ末に役に立ったのが「ETC利用照会サービス」です。
すっかり忘れていたのですが、いつの間にか登録していたらしく、翌日には今回のETC使用履歴が反映されていました。このシステムは仕事などで高速道路を利用する方のためのものだと思っていましたが、こういうときにも使えるのですね。
ちなみに高速料金は、故障した場所からいちばん近いICまでの精算となります。
あとで、それがきっちり手続きされたかどうかの確認をする際にも、こちらのサイトは便利です。
登録は無料なので、入っておくといいと思います。
振り返って考えたこと
今回は不測の事態ではありましたが、事故など最悪のトラブルではなく、その上で各手続きやレッカーの手配などを経験できたことは不幸中の幸いでした。
処理に当たる中では、日頃の備えが功を奏したところもあれば、改善の余地ありと思うとことも。
それを踏まえてこの項では、トラブル後に検討した緊急時の備えや確認事項についてまとめまています。
すぐには改善できないこともあれば、積載量の限られるバイクでは難しいこともありますが、ふだんから心に留めておいて、少しづつでも改善していければいいなと思っています。
1.持っていてよかったもの
高速道路でのトラブルの際、とにかく持っていてよかったと思ったのはこれ。
ほとんどのドライバーが人など立っているはずナシと想定し、猛スピードで走り抜けていく高速道路上で立っているのは思いのほか怖いことでした。
昼間はもちろん夕方以降はさらに視認性が悪くなるため、走行中の車に緊急事態を知らせることのできるパープルセーバーはぜったい持ってたほうがいい……というかそもそも、高速道路や自動車専用道路で緊急停車した際、停止表示器材を設置して後続車に危険を知らせる義務は、車だけではなくバイクにもあります。
これに違反した場合は「故障車両表示義務違反」となり、違反点数1点と罰金6000円となるので、注意しましょう。
停止表示器材といえば一般的には三角停止板ですが、パープルセーバーのほうが嵩張らず、視認性もよいのでおすすめです。
2.確認しておくべきこと
まずは、
- 交通管理隊の連絡先(高速道路上の非常電話がない場合、道路緊急ダイヤル#9910)
続いて、
- レッカーの手配先(ディーラー、購入店、保険会社など)
- どういうサービスが受けられるか(レッカーでの移動可能距離、ライダーの移動、宿泊費はどれくらいカバーされるか等)
さらに、
- 本人確認のための個人情報(住所、氏名、電話番号、生年月日、ナンバー等)
- レッカーの手配先、手続きの内容によっては聞かれるかもしれないこと(車台番号、保険証書番号、ETCカード番号と有効期限、車種)
個人情報は控えておくまでもなく答えられそうですが、車台番号や保険証書番号、ETCカード関係の覚え書きは、メモなどを取っておいたほうがよさそうです。
デジタルだと、転倒などでスマホが破損してしまうと確認できなくなるため、アナログでの確認方法も確保しておくとさらに安心。
わたしは緊急時の連絡先をまとめた名刺サイズのカードをジップロックに入れて、財布にしのばせています。
3.新たに準備が必要だと思ったもの
登山における行動食のようなもの。それから、暑さ寒さにある程度対応できるものは、準備しておくに越したことはありません。
具体的には、
- 水分(道路上は埃っぽい上に、レッカーの手配などで通話することも多いため喉が渇きます)
- おやつ(飴やガムのほか、個包装のナッツやスナック菓子、スポーツ羊羹などもおすすめ)
- カイロ、携帯用冷タオルなど(季節に応じたものを用意)
高速道路でのトラブルの場合、レッカーの手配から到着までは、安全な場所でぼうっと待つしかありません。
山深い場所でのトラブルの場合も、長時間の待機が予想される上に、近くにコンビニなどがない可能性もじゅうぶん考えられます。
このとき極端に暑かったり寒かったり、お腹が空いていたりすると、バイクだけではなく自分の体調も悪くなってしまいます。
大げさなものを揃える必要はありませんが、水分、立ち寄った道の駅で見つけた個包装のスナック菓子などをローリングストックしておくと、いざというときのリラックスにも役に立つのでおすすめ。
あわせて気候に準じたカイロや携帯用冷えタオルなどもあると、さらに安心です。
緊急の際、スマホが使えないと確実に詰みます。
事故とまでは行かずとも、故障やトラブルでも転倒を伴うことはあるので、スマホの破損を極力避けるためには、まずナビとして使用しないことが大事。
古いスマホを利用するというのも一案ですが、最近はスマートモニターもずいぶん買いやすくなってきました。
ドラレコ付きなどバリエーションも豊富なので、安くなるタイミングを狙って購入するのもアリだなと思っています。
まとめ
バイクに乗る以上、事故や故障はどんなに気をつけていても、起こる時は起こります。
いざという時、必要以上に慌てなくて済むよう、
- もしもの際の連絡先(ディーラー、レッカー会社、保険会社など)
- 各連絡先での本人確認事項(住所、氏名、年齢、生年月日、車台番号、保険証書番号)
などは、すぐに視認できるよう、まとめておくことをおすすめします。
また、
- パープルセーバー(安全確保に必須)
- スマートモニター(スマホ破損のリスクを下げる)
など、便利アイテムの活用と、併せて暑さ寒さにある程度対応出来るカイロや水などの備えも、常に整えておくに越したことはありません。
すぐにできることも多いので、ぜひこの機会にツーリングの際の備えを見直していただけると幸いです。