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2025年6月に配信で観た、今年の新作映画の感想を書いています。
- 邪悪なるもの(U-NEXT)
- 名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN(U-NEXT)
- ハボック(配信のみ/Netflix)
- ザ・コンサルタント2(配信のみ/Prime Video)
- ディープ・カバー 即興潜入捜査(配信のみ/Prime Video)
- プレデター:最凶頂上決戦(配信のみ/Disney+)
画像:映画.com
2025年公開の作品が、少しづつ配信にも上がってくるようになってきました。今後は公開時見逃し分の鑑賞も増えそうです。
今月の配信作品はどれもそれなりにおもしろかったのですが、とくに楽しかったのは『プレデター:最凶頂上決戦』。11月公開の『プレデター:バッドランド』が俄然楽しみになってきました。
『ザ・コンサルタント2』も、前作はそれほど響かなかったのですが、今回はよかった。理由はたぶん、ジョン・バーンサルがたくさん出ていたから。だって好きなんだもの。
このあとネタバレがあります。気になる方はご注意下さい。
邪悪なるもの(U-NEXT)
悪魔に魂を乗っ取られて身体が腐敗する「悪魔憑き」の存在が、人々の生活に暗い影を落としている世界。悪魔憑きは処理人によって適切に処理されなければならず、古くから伝わる7つのルールを守らなければ、悪魔の力が伝染病のように広がって世界は終わりを迎えるという。ある日、ペドロとジミーの兄弟は村外れで変死体を発見し、さらに近隣の住民が家族に出た悪魔憑きを隠していることに気づく。兄弟は7つのルールに従って対処しようとするが、伝承を信じない人々の無謀な行動によってタブーが犯され、周囲は悪魔憑きで溢れかえってしまう。愛する家族を守るべく、姿の見えない悪がはびこるアルゼンチンをさまよう兄弟だったが……。
引用:映画.com
『テリファイド』のデミアン・ルグナ監督による、アルゼンチン産悪魔憑きホラーです。舞台は山奥の小さな村。聖職者がいなくなった(序盤で死体が見つかる)世界で、悪魔はプロによるお祓いではなく、一般人が処理せざるを得なくなっています。その際、古くから伝わる7つのルールに従って処理しなければ、自分が悪魔憑きになってしまうという設定です。
ただしこういう映画に於いてルールは破られるために存在するため、悪魔憑きは当然ゾンビのごとく増殖します。ゾンビ映画というのも基本は世界の終わりをテーマとしたものですが、どこか愛嬌のあるゾンビと比べて悪魔はとにかく存在が陰鬱で、作中に漂う雰囲気もより絶望感が強いです。ここは悪魔憑き映画としての新味にもなっており、ホラーファンからの評価が高いゆえんかなと思うところです。
見どころは同監督の前作同様、南米ぽい湿度高めの不快感と、動物や子供にも容赦のないパンチの効いたゴア描写です。悪魔に取り憑かれると身体が腐ってしまうのですが、匂い立つようなリアル感とアート作品のような美しさが両立していて、これはたぶん監督のセンスとこだわり。全編に漂う不穏さが寓話のような世界観にぴったりで、私はとても楽しかった。傑作というわけではありませんが特段の過不足もなく、これくらいの映画が常に映画館で公開されていると幸せだなあ……という感じ。主人公となる兄弟のあまりの迂闊さが気になる人もいるかもしれませんが、人間は動揺すると往々にしてバカな行動を取ってしまうものなのです。
名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN(U-NEXT)
1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。
引用:映画.com
音楽には疎いので、ボブ・ディランについては「風に吹かれて」くらいはなんとなく聞いたことあるかも……レベルの情弱ぶり。正直本作の内容にもそれほどの興味はないのですが、ジェームズ・マンゴールドが好きなので、配信が来たタイミングで鑑賞しました。
楽しめたのは役者の演技。ティモシー・シャラメはもちろんですが、エドワード・ノートンとかエル・ファニングとか、ちょっと最近見かけなかったスター(あくまで私の周辺で)がとてもいいお芝居を披露してくれていて。特にエル・ファニング、いい意味で引っかかりのある魅力的な個性派になっていて嬉しくなりました。
内容は、予備知識なしでもなんとかついていくことは可能です。ただなんかなあ、私の知識のなさが招く理解不足かもしれませんが、天才ゆえなのか本人より周囲のほうが大変そうで、ボブ・ディランにいい印象は抱けなかった。フォークソングからロックに転向(?)するっていうのもいまいちピンとなこなくて、重厚でリアルな人間ドラマやってた映画監督がバッキバキにVFX使いまくったアメコミ映画撮るようなもの? そこまでバッシングされることなの??
ごめんなさい、このへんについては本当に私にセンスがない。それでもつまらなくはなかったです。
ハボック(配信のみ/Netflix)
心に傷を抱えながらも、街を牛耳ろうとする裏社会と闘っている刑事ウォーカー。ある日、一件の麻薬取引が失敗したことをきっかけに、報復を企む犯罪組織、汚職政治家、さらには警察内部の裏切り者からも命を狙われることになる。混迷する状況の中、ウォーカーは絶縁状態にある政治家の息子を救い出そうと奔走。やがて街を覆う汚職と陰謀の深い闇を暴いていき、その過程で自らの過去とも向き合うことになる。
引用:映画.com
『ザ・レイド』のギャレス・エバンスがトム・ハーディとタッグを組みました。今回もアクションは相変わらずカッコイイ。銃撃戦、格闘戦、カーチェイスとバラエティ豊かだし、いつもながら感心するのは、どれだけカットが細かく割れても酔わないし、位置関係や挙動も混乱しないこと。クライマックスにかけてメインとなるのは銃撃戦ですが、個人的には途中で出てくる殺し屋っぽい女性が超かっこよくて痺れました。たぶん俳優さんというより顔出しもするスタントの方だと思うのですが……キレキレやったんや。
ただ、話がやや複雑というか。難しくはない……むしろ容易に先の読めるありがち展開ながら、単純なものを無駄にこねくりまわしてしまった感じで、前半に集中する説明部分がまどろっこしいです。ここがもう少しシンプルにまとまっていたら、尺もギュッと絞れてかなりタイトになった気がします。配信映画は出だしがダルいと視聴をやめてしまいがちですが、本作についてはできれば我慢してほしい。後半はそれなりに派手になるので!!
ザ・コンサルタント2(配信のみ/Prime Video)
世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る会計士であり、命中率100%のスナイパーという顔も持つクリスチャン・ウルフ。ある時、旧知の男が殺され、その腕に「会計士を探せ」という謎めいたメッセージが残されていたことから、ウルフは事件に巻き込まれていく。事件解決のために、より極端な手段が必要だと判断したウルフは、疎遠になっていた危険な弟ブラクストンに協力を要請する。米国財務省のメリーベス・メディナ副長官と協力し、彼らは巨大な悪の陰謀を暴こうとするが、その秘密を封印するために手段を選ばない冷酷な殺し屋たちの標的となってしまう。
引用:映画.com
数字と射撃に天賦の才を持つサヴァン症候群の主人公が、裏社会のゴタゴタに巻き込まれるシリーズ第2弾です。前作は、私自身の心境をどのチャンネルに合わせて観ればいいのか、いまひとつ作品のトーンやリアリティラインを掴みきれないまま観終わってしまい、つまらなくはないのだけど……まあ普通、てかちょっと長い、みたいな感想だったのですが。
今回はおもしろかったです。理由としては、主人公の生い立ちや境遇など、複雑な設定を既に学習済みだったことがまずひとつ、あと、前作では顔見せ程度だったジョン・バーンサル演じる主人公の弟(殺し屋)がメインキャラクターとして登場、主人公とのバディものの要素が強くなって、彼らの漫才みたいな掛け合いが超笑えたこと。
ふだんは堅物とツンデレで噛み合わないことこの上ないのに、いざとなると息ぴったりというのはこれまでも飽きるほど観てきたバディものの典型ですが、演技もいいし演出もはまっているので安心して楽しめます。いつ観ても、いつまで観ていても飽きないのがクオリティの高い王道の安定感。もうこれ、凸凹兄弟とサヴァン症候群の子供たちが力を合わせて悪を挫くパターンでシリーズ化しちゃえばいいのに……なんて思っていたら、ギャビン・オコナー監督の中にはもうすでに続編の構想があるそうです。今作、日本では劇場未公開となってしまいましたが、アメリカではまずまずの評判だったみたいで、続編の実現は遠からずありそう。楽しみにして待ちたいと思います。
ディープ・カバー 即興潜入捜査(配信のみ/Prime Video)
即興劇の教室を開いている俳優カットは、自らの才能に限界を感じていた。そんなある日、潜入捜査官と出会った彼女は、極秘捜査のため一世一代の役を演じることになる。カットは教室の生徒でメソッド・アクターのマーロン、社交的ながらも不器用なIT技術者ヒューとともに、凶悪な犯罪者になりすましてロンドンの裏社会に潜入する。冷酷な麻薬ディーラーを演じることになった3人だったが、次第に事態は制御不能になっていく。生き残るため、彼らは役になりきることを余儀なくされ、やがてサディスティックな犯罪組織のボス、メトカーフと対決することになる。
引用:映画.com
しれっとアマプラに登場していた配信スルーのイギリス映画ですが、よくよく見るとキャストが豪華。売れない役者が演技のスキルを生かして潜入捜査のアルバイトなんてほぼマンガな展開なんですが、役者がいい(特にオーランド・ブルームが笑える!)のでそれなりに引き込まれて楽しめます。あとこれもお約束展開ですが、登場人物たちが、ピンチを乗り越えることでそれぞれの抱えるコンプレックスをも昇華していくという、この過程も意外にじわっときて、ラストは思いのほかほっこりさせられました。
典型的なドタバタコメディですが、アメリカ映画のように派手なアクションはないし、邦画のようにオーバーアクションで笑わせるということもなく、イギリスらしいシニカルなトーンがハマる人にはハマる気がする……本作のおもしろさはそんな感じ。ちょこちょこマフィア映画のオマージュがあったり、ショーン・ビーンがお約束だったり、映画好きにはクスッと笑えるクスグリも挿入されているので、興味のある人はぜひ。
監督のトム・キングズリーはテレビをメインにお仕事している方のようですが、英国の至宝「ドクター・フー」シリーズなんかも手掛けてるみたいです。
プレデター:最凶頂上決戦(配信のみ/Disney+)
高度な科学技術を駆使した武器を持つ、宇宙で最も危険な戦闘種族であるプレデター。本作では、これまで明かされることのなかった、時代と国をまたいだプレデターと人類の戦いが描かれる。幼い息子を連れて血みどろの復讐の旅をするバイキング、後継者争いの戦いの中で武士の兄弟と敵対する封建時代の日本の忍者、そして第2次世界大戦の連合軍の脅威を調査するために空へと飛び立つ戦闘機パイロットという、生きる時代も国も異なる3人の戦士たちが、プレデターと対峙していく。
引用:映画.com
『プレデター:ザ・プレイ』のダン・トラクテンバーグ監督が、秋公開の『プレデター:バッドランド』を前にして突如(私が情報を知らなかっただけですが)配信で新作プレデターをリリース。しかもアニメーションって……。私はアニメがあまり得意ではないので、最初こそ億劫でしたが観てみてびっくり。めっちゃおもしろいじゃないですか。
まずは時代も登場人物の境遇も異なるオムニバスが3本。お話こそいつもと同じ、戦闘しているとプレデターが乱入してきて……というものですが、3本とも戦闘方法もロケーションも異なるので、決まった展開の繰り返しでも退屈しない。それどころか本作、『スパイダーマン:スパイダーバース』以降主流となりつつあるコミックス風というか、絵画風というか、手書きのごとく味わいのある絵がスタイリッシュに動きまくるという手法なので、観ていて飽きない……というかずっと観ていたいくらい気持ちがいい。
で、そのあとに来るラスト1話は、前の3話の登場人物が場所どころか時代をも飛び越えて一堂に会し、まさに最凶頂上決戦な局面へ。これがもうね、熱い! 楽しい!! このラストのお話は『プレデター:バッドランド』への下準備も兼ねているようで、同シリーズがこの先向かっていくだろう方向性がぼんやりとですが明かされます。シリーズをずっと見続けてきていると「お!」となる要素もところどころに散りばめられていますので、『プレデター:バッドランド』を観る予定なら、チェックしておいて損はないんじゃないかと思います。