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2025年3月に配信で観た映画の感想を書いています。
- Broken Rage(配信のみ/Prime Video)
- スマイル2(配信のみ/U-NEXT)
- オーダー(配信のみ/Prime Video)
- ニンジャバットマン対ヤクザリーグ(配信のみ/U-NEXT)
画像:映画.com
個性豊かなラインナップで、いずれもそれなりに楽しみましたが、おすすめとなると『スマイル2』でしょうか。
この月、劇場で観た作品の感想については、こちらにまとめています。

このあとネタバレがあります。気になる方はご注意下さい。
Broken Rage(配信のみ/Prime Video)
男たちの欲望渦巻く裏社会で、殺し屋としての並外れた能力を武器に暗躍する男・ねずみ。ある日、殺人容疑で警察に捕まった彼は罪を見逃してもらう代わりに、覆面捜査官として麻薬組織に潜入するよう命じられる。
引用:映画.com
前半30分がたけし監督、主演のヤクザもの、それを後半30分で同じくたけし自身がパロディ化した60分強の中編です。前宣伝がすごかったですが、公開後はまったく話題にならず。まあ、それも分からないではない内容なのですけれども……。
私は嫌いではないです。年代的にコントやってたたけしもなじみがあるし、1994年の巨大ウ○コ映画『みんな〜やってるか!』もわりと好きだったし。夜中にお酒を飲みながら観ていたせいか、パロディパートの拷問シーンなんかは変なツボに嵌って大いに笑わせてもらいました。
もちろん思うところがないわけではないです。でも『首』もわりとこっち方面だった気がするので、監督の気分が今現在そういうベクトルなのでしょう。これまでのフィルモグラフィーを振り返っても、わりと一定の周期で作風がガラッと変わるというか、同じことをやっていると飽きてくるのか、常に新しいことに手を出しているというか。そのたびに評価こそ割れますが、私としては新作を見ることができるだけでそれなりに満たされますので、好きなことをしてくれればいいと思います。今回は特にアマプラオリジナルなので、アマプラ入ってれば無料ですしね。
ただ、これまでたけしの映画をまったく観たことのない人が、いきなり本作や配信で観ることのできる『首』から入るのはおすすめしません。映画監督としての北野武を味わうなら、せめて『アウトレイジ』シリーズとか、できれば『その男、凶暴につき』や『ソナチネ』あたりの初期作品から手に取っていただきたいところです。このへんの作品はいずれも配信にはありませんので、円盤をレンタル、もしくは購入となりますが……それくらいの手間を掛ける価値はあると思います。
スマイル2(配信のみ/U-NEXT)
ワールドツアーを目前に控えた世界的ポップスターのスカイ・ライリーは、恐ろしく不可解な出来事に遭遇するようになる。エスカレートしていく恐怖と名声によるプレッシャーに押しつぶされそうになった彼女は、自分が制御不能になってしまう前に人生を取り戻すため、暗い過去と向き合うことを決意する。
引用:映画.com
笑顔で自殺する人間を見てしまうと、目撃者も自殺する状況に追い込まれる、という設定のホラーシリーズ2作目です。監督、脚本は前作に引き続きパーカー・フィン。長編はまだこのシリーズしかない若い方(ドラマ『ザ・スタジオ』に出てたけどめっちゃ若そうだった)のようですが、1作目のヒットによって(おそらく)かなり増えただろう予算を持て余すこともなく、自身のやりたいことや得意分野にバランス良く注ぎ込み、期待を超える続編を作ることに成功しています。
特に前作でも際立っていたカメラワークやゴア描写を含むアートワークへの強いこだわりに関しては、本作の主人公ナオミ・スコット演じるスカイを、世界的に人気のあるポップスターというキャラクターに設定することで、スターという立場ならありえる非日常的な衣装や美術をふんだんに投入することに成功しています。さらにスキャンダルからの復帰後初のワールドツアー直前で、そもそも精神的に不安定という状況も自然に作り出していて、上手いなあと。
特に後半、妄想と現実の境目が曖昧になり、追い込まれていくあたりは、このセッティングだからこそできたトリッキーな見せ方に絶妙の間合いで襲いかかってくるジャンプスケアの相乗効果もあってめっちゃ楽しくて。あとジャック・ニコルソンの息子さん、レイモンド・ニコルソン(似てるんですよこれが)が出ているっていうのも、なんともハイセンス。だって本作のキーワード、「スマイル」ですよ。
ちなみに前作は、できれば観ておくことをおすすめします。ルールが分かっていれば単体でも楽しめないことはありませんが、冒頭がシームレスに繋がっていますので。
オーダー(配信のみ/Prime Video)
アイダホ州の田舎町に引っ越してきたベテランFBI捜査官テリー・ハスクは、町の周辺で相次いで発生している銀行強盗や殺人事件に、白人至上主義団体「アーリアン・ネーションズ」が関わっているのではないかと考え、捜査に乗り出す。やがて彼は、アーリアン・ネーションズから分派した過激派グループ「オーダー」が大規模なテロ計画を実行しようとしていることを突き止めるが……。
引用:映画.com
白人至上主義者集団アーリアン・ネイションズの分派となる過激派白人至上主義者集団「オーダー(The Order)」を率いたボブ・マシューズにスポットを当てた実話ものです。しかも監督は『二トラム』や『スノータウン』を手掛けたジャスティン・カーゼルというと、いやあ……キツいな……と尻込みしてしまいそうになりますが、本作、前述の2作と比べるとややエンタメ寄り。もちろん楽しい話ではないのですが、観やすくなっている理由としては、主人公として赴任したてのFBI捜査官テリー・ハスクという架空の人物を配置して、ボブ・マシューズとのシンプルな対立構造を作っているためかなと思います。
ボブ・マシューズという人物については、私はまったく前知識がなかったのですが、テロの資金作りのために銀行強盗を計画したり、劇場を爆破したり、偽札を作ったり。もちろんテロには人員も必要なので、素質のありそうな人間を言葉巧みに懐柔したり、過激な思想をたきつけたり、複数の女性に子供を生ませ、寝かしつけに「ターナー日記」を読み聞かせたり……と、とにかくやることなすことどこを切ってもドン引きの金太郎飴状態。しかもニコラス・ホルトの抑制の効いた演技が無駄に説得力があって(褒め言葉)もう……心が弱ってるタイミングでこういう人に会っちゃうと、浄水器買っちゃったり、宗教入っちゃったり、さらには犯罪に加担しちゃったりするんだろうなーと思わず納得してしまう、おそらく本物のボブ・マシューズにもあっただろうカリスマがしっかり感じられてざわつきました。
ニンジャバットマン対ヤクザリーグ(配信のみ/U-NEXT)
戦国時代の歴史改変を阻止し、現代のゴッサム・シティに戻ってきたバットマンたち。しかし翌日、日本列島が消失し、ゴッサム・シティ上空に巨大な島「ヒノモト」が出現する。降下してきた無数のヤクザがゴッサム・シティに襲いかかるなか、市民を守るべきジャスティス・リーグも消息を絶ったことが判明。上空に特殊なエネルギー反応を感知したバットマンは、真相を探るべくヒノモトへ向かう。そこにはヤクザがヤクザを支配する究極の仁義なき世界が広がっており、その頂点に君臨するのは、ジャスティス・リーグの面々に姿も能力もそっくりな「ヤクザリーグ」の超人たちだった。
引用:映画.com
DC作品については、映画館でやれば観には行くよ、という程度の思い入れです。でも前作『ニンジャバットマン』に続いて本作でも脚本を務めた中島かずきは大好きで、一時期は「劇団☆新感線」の芝居にも足繁く通っておりました。そんな人間なので、かずき節炸裂のこのシリーズは前作も本作も大好物。ただしクセが強いので、賛否分かれるのも納得です。
というわけで、ロボットアニメオマージュ全開だった前作から、今回は『仁義なき戦い』のテロップネタを筆頭に東映実録ヤクザ映画、東映任侠映画、80年代ヤンキーテイスト、タツノコアニメと中島センセお得意の昭和日本のあれやこれやを詰め込んだごった煮スタイル。「ヤクザ豪雨」なんて新感線的センス・オブ・ワンダー溢れるパワーワードも飛び出して、 お話のほうも相変わらずヘアピンカーブをギリギリ屁理屈ですり抜けていくスリリングな味わいです。
キャラクターについては基本的な知識がないので、DCファンの方の視点というのは分かりかねます。でも私としては、数年前の映画がかなり苦手だったワンダーウーマン、ダイアナが超カッコイイ女侠客になっていて惚れました。彼女に救われて、何はともあれ義理を通すスケバンハーレイもいい感じ。騒々しい族車は大嫌いだけど、三段シートにハンマーくくりつけたスクーターも「らしく」て笑えて……。
私的には大満足。作画も声優さんもクオリティが高く大変愉快な作品ではあると思うのですが、なにぶん個性が強いので、これから観る方はとりあえず予告編をご確認下さい。あと、前作の鑑賞は必須ではありませんが、前作の舞台だった戦国時代から帰還した直後からの話となっているので、余裕があれば観ておくことをおすすめします(ただし本作よりもさらにクセ強め)。