自動車の教習と違って、二輪免許には仮免許というシステムがありません。
なので教習はすべて教習所内のコースで行われ、車の運転を経験したことのない初心者ライダーは、なんの予行練習もなくいきなり公道を走らなくてはならないということになります。
歩行者、自転車、せっかちな車等、公道にはなにかと初心者ライダーを萎縮させる対象が存在します。
覚えてしまえばなんということのない交通法規も、慣れない人間にとっては複雑極まりありません。
周囲の流れに乗らなくては危険だということがわかっていても、怖くてなかなか思うようにスピードが出せないという方も多いのではないでしょうか。
さらにそのせいで後ろにプチ渋滞が発生したり、ギリギリでの追い越しや幅寄せなどをされたら、せっかく免許を取得したのに、運転の練習そのものがつらくなってしまう人も少なくはなさそうな気がします。
というか、わたし自身がそうでした。
そんなわけで、当記事では超初心者ライダーに向けて、初心者マークを付けることをおすすめしています。
バイクは初心者マークを付けることを義務づけられてはいませんが、周囲のドライバーさんに自分が初心者であることを認知してもらうだけで、思いのほか心の余裕が生まれます。
もちろんそこに甘え過ぎてしまうのはよくないのですが、ある程度公道の流れに慣れることが出来るようになるまで、わたしは初心者マークを付けることはとても効果的ではないかと思うのです。
初心者マークってどういうもの?
あらためて説明するまでもないと思いますが、これです。若葉マークとも呼ばれます。
法律(道路交通法第71条の5、初心運転者標識等の表示義務)で定められた表示対象者は、
準中型自動車または普通自動車を運転することができる免許を受けた方で、免許取得後1年未満の方。
つまり、バイクの運転に関して、初心者マークの表示義務はありません。
よって車には発生する表示義務違反の罰則は適用されませんし、逆に周囲の車に適用される、初心者マークをつけた車への配慮義務違反も発生しません。
ですが、表示対象者以外が初心者マークを付けることに制限はないため、バイクの運転に自信がないライダーが、周囲へのアピールのために初心者マークを付けることに問題はありません。
また、二輪免許取得したての超初心者ライダーに関わらず、免許は持っているもののしばらくバイクに乗っていない、もしくは乗り換えで勝手が変わって不安、といった方がつけることも問題ありません。
こんな人におすすめ
- 一時停止や信号での発進時、スムーズな加速ができない
- 車線変更がタイミングよくできない
- 後続車が詰まってくることや、車間距離を詰めがちな車が怖い
- とにかく公道での走行に不安がある
こういったことは、いずれも慣れで改善されることではあります。
ですが慣れるまではどうしても恐怖心が先に立ちますし、タイミング次第では事故につながりかねないのが怖いところ。
特に気を付けたいのが、
- 車線変更での不必要な減速(後続車の対応が追いつかない)
- 後続車に焦り、技術がおぼつかないのにスピードを出してしまう
- もしくはどうしてもスピードが出せず、無理な追い越しや幅寄せをされる
そんなとき初心者マークが付いていれば、周囲の車はある程度警戒、もしくは配慮してくれます。
もちろん相手に頼りすぎてはいけませんが、周囲の車も危険な思いはしたくないはずなので、警告の意味でも初心者マークは効果的です。
購入方法とつける場所について
わたしは近所の2りんかんで購入しましたが、100均やネットでも販売されています。
車の場合、マグネットや吸盤で車体に貼り付けるものが多いですが、車ほど平坦なスペースがなく、風の影響をダイレクトに受けるバイクの場合、しっかりと貼り付けの出来るシールタイプの使用がおすすめです。
シールといっても、ほとんどの商品は不要になれば綺麗にはがすことができるので、安心して貼り付けて下さい。
わたしはシールタイプのものをヘルメットの後部につけていました。
ある程度高さがあり、見通しのよい状況なら2.3台後ろの車まで視認してもらえそうだったからです。
こういったパーツも売られているようですが、取り付けが少し面倒な気もします。
おわりに
バイクの運転には義務づけられていない初心者マークを貼ることは、人によっては恥ずかしいと思うかもしれません。
ですが必要以上に緊張したり、慌てたりしていると、運転そのものがつらくなってしまうこともあります。
わたしの場合、何度か怖い思いをしてから初心者マークを導入しましたが、明らかに周囲の車の対応が変わりました。
特に実感したのは、
- ギリギリのすり抜けや幅寄せをされることがなくなった
- 車間距離を比較的広めに取ってもらえる
これだけでずいぶん、恐怖心が軽減されたことを記憶しています。
運転は慣れなので、距離をこなしていけばある程度は上達します。
なのに、そこへたどり着くまでにバイクに乗ることが嫌になってしまうのは、ちょっともったいないと感じてしまいます。
数回公道を走っただけで「やっぱりわたしにはバイクの運転は無理かも…」と思いはじめている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、初心者マークをつけて出掛けてみてください。