『チャイルド・プレイ』シリーズの概要と観る順番、各作品のごとのわたしの感想 その2(ネタバレあり)

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チャイルド・プレイ チャッキーの種

引用元:Hulu

Huluで配信中のドラマ『チャッキー シーズン1』完走を機に、これから遡ってシリーズ観る人への参考になりそうな情報や、各作品ごとのあらすじ&感想をまとめた記事、その2となります。

ここでは、5作目『チャイルド・プレイ チャッキーの種』(2004年)から、8作目『チャイルド・プレイ』(2019※年リブート版)までをご紹介。

物語の核となるネタバレについては極力避けていますが、感想ではある程度の内容に触れていますのでご注意下さい(警告を付けています)。

シリーズそのものの概要や観る順番、現時点(2024年2月)での鑑賞方法、さらに1作目『チャイルド・プレイ』(1988年)から4作目『チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁』(1998年)までのあらすじや感想をまとめたその1はこちらから。

Huluで配信中のドラマ『チャッキー』の感想はこちらです。

参考までに、『チャイルド・プレイ』シリーズ、各タイトルと制作年は以下の通り。

  1. 『チャイルド・プレイ』(1988年)
  2. 『チャイルド・プレイ2』(1990年)
  3. 『チャイルド・プレイ3』(1991年)
  4. 『チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁』(1998年)
  5. 『チャイルド・プレイ チャッキーの種』(2004年)
  6. 『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』(2013年)
  7. 『チャイルド・プレイ チャッキーの狂気病棟』(2017年)
  8. 『チャイルド・プレイ』(2019年)※リブート版
  9. 『チャッキー』(2021年~)※ドラマシリーズ

これから観る方のご参考になれば幸いです。

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各タイトルの作品情報と感想(5作目から6作目)

5.『チャイルド・プレイ チャッキーの種』(2004年)

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あらすじと作品情報

イギリスの見世物小屋で、ニセ腹話術師の腹話術人形に扮するシットフェイス(=グレン)は、6年前にアメリカから連れてこられ労働を強いられていた。ニセ腹話術師に脅かされ、いつもビビッて小便をもらすほどの臆病者のシットフェイスが、ある日TVから、ハリウッドで殺戮人形の都市伝説―チャッキー&ティファニーの映画化のニュースを知った。その時、チャッキーの腕につけられた文字を見て、この2人こそ自分の両親だと確信し、ニセ腹話術師から命からがら逃亡し、チャッキー&ティファニーのいる映画の都ハリウッドへ渡る。

引用:映画.com
原題:Seed of Chucky/2004年/アメリカ/87分/R15+
監督/脚本:ドン・マンシーニ
出演:ブラッド・ドゥーリフ/ジェニファー・ティリー/レッドマン/ハンナ・スピリアット/ジョン・ウォーターズ/トニー・ガードナー/ビリー・ボイド
感想
※以下ネタバレあります。




これまで、脚本でずっとシリーズに関わってきたドン・マンシーニが、ついにメガホンを取りました。前作の衝撃のラストから6年後という設定で、そのまま続く世界観となっています。そして、今回の舞台はハリウッド。相変わらずの悪ノリに楽屋ネタまでプラスされて、コメディ風味でシュールな展開が続きます。

前作で人間として復活する計画に失敗し、ティファニーとチャッキーはあえなく死亡。それから6年後、ハリウッドでは「ハッケンサックの都市伝説」を描く映画が製作されています。この劇中映画で使用されているチャッキー&ティファニー人形は完全に作りもののはずなのですが、インチキ腹話術師のもとから逃げ出してきたシットフェイスが両親の形見として持っていたネックレスの裏に刻まれた呪文(いつものやつ)を唱えるとあっさり復活。このあたりの設定はもう完全にガバガバになっていますが、気にしてはいけません。二人は自分たちに子供がいたことに驚き、再会を喜びます。

ところが人形であるシットフェイスは、性別が不明。本人にも自覚がありません。男がいいと言うチャッキーと、女の子がいいと言うティファニーは口論になります。そこでふたりがシットフェイスにつけた名前が「グレン」と「グレンダ」。これはもう内容的にも、「史上最低の映画監督」として名高いエド・ウッドによる、1953年の『グレンとグレンダ』からですね。ふたつも名前をつけられるのは困りものですが、(性別が)分からないなら分からないでいい、というチャッキーとティファニーのスタンスは、大いに柔軟でわたしはとても好き。

ところがこの後、ふたりはシットフェイスの教育方針について大いに紛糾。「人(人形)の親になったのだから人殺しはやめなきゃ」というティファニーに対し、チャッキーは「子供ができたからといって、趣味(人殺し)はやめない」。それでもふたりは当面人殺しはしないと決めるのですが、その約束を最初に破るのがティファニーだったことで夫婦関係は悪くなり、なんともややこしい、というか、そもそも何を見せられているのだろう感が凄い(褒めてます)。

そんなこんなで本作は、人形夫妻に子供ができたことによるかなり前衛的(かつわりと真面目)な人形家族ものとなっている一方、チャッキーに惨殺されるカメラマンをジョン・ウォーターズが(ノリノリで)演じているほか、劇中映画の特殊効果担当に、実際シリーズの特殊効果を担当しているトニー・ガードナー、ティファニーを演じるジェニファー・ティリー、ラッパーのレッドマンらがそれぞれ実名で登場。さらにはブリトニー・スピアーズのそっくりさんまで登場し、業界ネタ、メタネタも満載となっており、おそらくシリーズ中もっともクセ強な1本。好みは分かれるかもしれませんが、きちんと面白いので、ぜひ前作と併せて観てもらいたいものです。

ちなみに、先にもちらりと書いたように、本作ではジェンダーに関わる問題がクローズアップされています。同シリーズは、前作でもチャッキーとティファニーが狙う駆け落ちカップルのサポート役として、彼らの共通のゲイの友達がさりげなく活躍、またこの後の、ニカが主役となる2作品でも、本編に大きくは関わらないものの同性カップルがナチュラルに登場しています。これはドン・マンシーニ自身がゲイであることも大きいとは思いますが、このころからすでにこういったことを作品に(かなり自然に)取り入れているのは好感度が高い。ただ尖ってるだけじゃないところ、さすがです。

6.『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』(2013年)

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あらすじと作品情報

生まれてからずっと車椅子生活を送っている少女ニカは、ある日、奇妙な小包を受け取る。中には気味の悪い人形が入っており、その日からニカの周囲で次々と不幸な出来事が起こる。ニカはその人形に原因があるのではないかと疑い、インターネットで調べてみると、驚きの事実が明らかになる。

引用:映画.com
原題:Curse of Chucky/2013年/アメリカ/97分
監督/脚本:ドン・マンシーニ
出演:ブラッド・ドゥーリフト/フィオナ・ドゥーリフ/ダニエル・ビスッティ/ブレナン・エリオット/メイランド・マコーネル/サマー・ハウエル
感想
※以下ネタバレあります。




1988年の第1作『チャイルド・プレイ』から、25周年を記念して製作されたシリーズ第6作。本作はふざけ放題の前2作から一転、生まれつきの障害から車椅子生活を送るニカのもとにチャッキーが送られてくるところからはじまり、チャッキーの中身、チャールズの過去に迫るシンプルかつゴシックな味わいのあるホラーとなっています。監督は前作に引き続き、チャッキーのパパ、ドン・マンシーニ

物語の方はというと、チャッキーが届いてからというものニカの周りでは妙な事件が頻発、事件とタイミングを同じくして家にやってきたチャッキーのことを調べていくうちに、ニカは自分の母親と、チャッキーの中身、チャールズの間に何らかの因縁があることに気付きます。でもやっぱり人形が人を殺しているなんて、誰も信じてくれない。車椅子というハンデを背負いつつ、ニカはひとりチャッキーに挑みます。

というわけで、今回は古風な館を舞台に、かなり正統派な展開。前作、前々作がお口に合いすぎた人には少し物足りないかもしれません。でも今回の見どころは、ずばりチャールズの過去。1作目の冒頭、覚えていますか?チャールズは警察に追われていましたよね?

本作ではその理由が判明します。そのまま1作目冒頭に続くシーンもちゃんとあり、つまり、25年を経てストーリーがつながるというわけ。これは長くシリーズを追いかけてきたファンにとっては大いに楽しく、周年記念にふさわしいサプライズとなりました。もちろん、微妙におかしいところはあるんです。前回ラストからチャッキーはどうやって蘇ったのか、とか、チャールズの恋人ってティファニーだったんじゃ、とか。でもそのあたりをスルーしても、大枠でお話が収束するのは気持ちがいい。なにより、シリーズやキャラクターを大切にしている作り手の愛情が感じられて、とても嬉しくなる体験でした。

ちなみに、ニカを演じているフィオナ・ドゥーリフは、1作目からチャールズ&チャッキーの声を担当しているブラッド・ドゥーリフの娘さん。ニカは聡明で、ハンデがあっても自立できる能力があることを周囲に示し、力強く生きる魅力的な女性です。そのキャラクターに、お父さんとそっくりな目もとがすごくぴったり。ラスト、ニカはチャッキー撃退にはなんとか成功するものの、周囲で起こったすべての殺人の罪を着せられてしまいます。その裁判の場で、証拠品として置いてあったチャッキーに捨て台詞を吐くシーンは、狂気じみているのだけど最高にかっこいいい。そして次作以降の展開も、一層フィオナ・ドゥーリフの魅力が実感できるものとなっておりますので、ここまでたどり着いた方はどうぞお楽しみに!

尚、配信で本作を鑑賞する場合、気をつけていただきたいのがエンドクレジット後の映像がないことです。DVDやBlu-rayなどのパッケージ版では、エンドクレジット後、なんと23年ぶりにアンディ(演じているのもアレックス・ビンセント!)が登場。今回ニカにたきつけられ、久々にアンディを殺していなかったことをを思い出したチャッキーは、(たぶんティファニーに頼んで)自らをアンディのもとへ送り込みます。しかし幼少時のトラウマから万全の対策をしていたアンディはチャッキーと対面するなりためらわず発砲。それがそのまま、次作『チャイルド・プレイ チャッキーの狂気病棟』の冒頭につながります。

これ、配信版にはどうしてないんだろう。Hulu、アマゾンともにないようなので、権利の問題とか、やむにやまれぬ事情があるんだとは思いますが、重要なシーンなのでもどかしいです。配信で本作を鑑賞した場合は、次作の冒頭で「???」となる可能性が高いので、実はオリジナルにはそんなシーンがあるんだということを心にとめておいていただけると幸いです。また反則技ではありますが、赤いロゴマークでおなじみの動画共有サイトで「curse of chucky ending after Credits」等の検索をしていただくと、字幕はありませんが該当のシーンを観ることは可能です。

7.『チャイルド・プレイ チャッキーの狂気病棟』

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あらすじと作品情報

チャッキーとの壮絶な戦いの末、精神病院に入院したニカ。しかし担当医がセラピーにチャッキー人形を使用したことから事態は思わぬ展開に。ピンチに陥ったニカはチャッキーのことを知るアンディとともに、チャッキーやその花嫁ティファニーの恐怖に立ち向かう。

引用:映画.com
原題:Cult of Chucky/2017年/アメリカ/91分
監督/脚本:ドン・マンシーニ
出演:フィオナ・ドゥーリフ/アレックス・ビンセント/ジェニファー・ティリー/ブラッド・ドゥーリフ

感想

※以下ネタバレあります。




シリーズ7作目、今回も監督は引き続き、ドン・マンシーニです。冒頭は、前作のエンドロールで満を持して登場したアンディの現在。やはり幼少時のトラウマのために幸福とは言えない人生を送っているようです。でもそんな中、いまだに絡んでくるチャッキーについては、幸か不幸かあっさり返り討ちにできるくらいのスキルも身につけているようで。何にしても、あどけなかったあの頃の面影は皆無です。

というわけで、今回舞台となるのは、前作で殺人の濡れ衣を着せられたニカが収容される精神病院。ここにチャッキーが乱入することで大殺戮祭が開催されるのはいつものことなのですが、今回もちゃんと新たな見どころがあります。それは、チャッキーが(いつのまにか)新呪文を会得していたこと。チャッキーは、ついに人形でも人間でも、好きなものに好きなだけ、いくらでも魂を移せるようになりました。つまりチャッキー大増殖。さらにアンディ、ティファニー(5作目のラストから、女優ジェニファー・ティリーの身体を間借り中)と重要なキャラクターも勢ぞろいするため、ファンとしては大いに盛り上がる作品となりました。一方、すべてがこれまでとつながりのある展開なため、ご新規様にはややハードルが高そう。それほど古くない作品ということもあり、配信でも高確率に観ることの出来る作品ですが、ここから入るのはあまりおすすめしません。せめて前作『チャイルド・プレイ 誕生の秘密』を観てからの鑑賞がおすすめです。

そんなこんなで雪深い僻地の病院にて、職員や患者さんも巻き込んでのホラーショー。見せ場もうまく全員に用意されており、クライマックスではなんと、チャッキーがニカの身体を占拠しちゃいます。この、チャッキーが入ったニカが最高にかっこよく、特にティファニーとのキスシーンはまじですばらしいのでみんな観よう!せったい観よう!

ちなみに、一番好きな殺人シーンは、ニカに乗り移ったチャッキーが病院長を蹴り殺すところ。この医者、実は殺される直前、ニカに拘束服を着せてゲスなことをしようとしてたんですよね。その一部始終を見ていたチャッキーの、殺す前のひとこと「これはニカのぶん」が、気が利きすぎてて気持ちいい。チャッキーはどう考えても救いのないシリアルキラーですが、たまにとてもまっとうで柔軟でユーモアがある。ここが彼の最大の魅力であり、愛されるポイントなんですよね。

そして今回も、エンドクレジット後にサプライズなサービスが! なんと、2作目『チャイルド・プレイ2』に登場したカイルが登場。これにはびっくりしました。一瞬「誰やねん」とも思ったのは内緒ですが、カイルはみんな大好きな頼れるお姉さんだったのでうれしい限り。もちろん当時と同じく、クリスティーン・エリスが演じています。こちらは配信版にもちゃんと収録されていますので、お見逃しなく。この続きはそのまま、ドラマシリーズに直結します。

8.『チャイルド・プレイ』(2019年)※リブート版

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あらすじと作品情報

引越し先で友達のいない少年アンディは、誕生日に母親から人形をプレゼントされる。その人形には、音声認識センサーや高解像度画像認識機能などが備えられ、スマートフォンアプリと連携して操作も可能という、最先端の技術が盛り込まれていた。人形をチャッキーと名づけて一緒に暮らし始めたアンディだったが、次第に周辺で異変が起こり始めて……。

引用:映画.com
原題:Child’s Play/2019年/アメリカ/90分
監督:ラース・クレブバーグ
出演:オーブリー・プラザ/ガブリエル・ベイトマン/ブライアン・タイリー・ヘンリー/マーク・ハミル/ビクトリス・キットソス/TYコンシグリオ/デビッド・ルイス/カーリース・バーク/マーロン・カザーディ

感想

※以下ネタバレあります。




『チャイルド・プレイ』シリーズの「人形が人を殺す」というアイデアを、現代的にアップデートして作られた完全リブート作です。

オリジナルでは、チャッキーに魂が宿った理由はオカルト的な力によるものでしたが、今回はAIの暴走という設定。自由に動き回り、あらゆる家電と連携、さらにホラー映画も理解できるという超高性能AI人形が、持ち主アンディにどこまでも見当違いの忠誠を示すその姿は不気味で、近未来SFの味わいがあります。話運びもそれなりにおもしろく、さすが『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を手掛けたクリエイター陣による作品だけあって、普通に楽しいホラー映画ではあるのですが。

ずっとこのシリーズを追いかけてきた身としては、やはり『チャイルド・プレイ』の魅力=チャッキーの魅力なんですよね。これだから古参は、と若者には嫌な顔をされそうですが、やっぱりひっかるものはひっかかるわけで。ドン・マンシーニとデヴィッド・カーシュナーが(要請があったにもかかわらず)本作先には関わらない選択をしたこと、それでも(権利を保有しているため)リブート製作に至ったMGMに対し、あまりよく思っていない旨の発言をしたこともあって、思い入れがありすぎる身としては、チャッキーの出自自体が変更されてしまった本作は、素直に楽しむことができなかったのが正直なところ。

とはいえ、アンディの母親を演じたオーブリー・プラザは大好きな女優さんだし、アンディとその仲間たち(本作はジュブナイル要素もあるのです)も魅力的、公開時はマーク・ハミルがチャッキーの声を演じたことでも話題となって、本当に、くどいようですが出来はまったく悪くないのです。新しい作品なので観やすいし、スマホから操作するAIという着眼点も悪くない。ただ本来のシリーズとは完全に別モノとなります。オリジナルシリーズのチャッキーはAIではなく、連続殺人鬼チャールズ・リー・レイなので、これから本作をご覧になる方は、そこを踏まえてお楽しみ頂ければと思います。

まとめ

ここまで、2記事に渡って『チャイルド・プレイ』シリーズを紹介してきました。

現時点で全9作品(ドラマ含)とそれなりのボリュームがありますが、どれも異なる見どころがありつつキャラクターのブレなどのない、魅力的な内容となっています。

それぞれ大変楽しいので、少しでも興味のある方はぜひこのタイミングで!

観やすい視聴方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

現在配信中のドラマシリーズの感想はこちら。